確か、あれは・・・小学校の時だったかと思う。軽快だけど、華麗なオーケストレーションのメロディと、桜の花びらがたくさん散る中で、馬車に乗る赤毛の女の子のアニメーションに、あたしは一瞬にして、ココロを奪われた。
・・・赤毛のアン。
それまでもこのシリーズはずっと見ていて、ファンのひとりではあったのだけど。
しかし、舞台となるプリンスエドワード島の美しさに、加えて、バックに流れる音楽、そして、アンと彼女を囲む魅力的な登場人物たちに、すぐさま、あたしは夢中になってしまった。
あの頃・・・当時の担任がいわゆるスポ根というか、中村雅俊のドラマに感化されたような熱血な先生で、運動と音楽にそのエネルギーを賭けていた。だから、放課後はいわゆるクラシックや、イージーリスニングの名曲などをクラス全体で練習し(年に何回かは公民館でコンサートをしていたので^^;)、はてまた、町内でサッカー大会やら、バスケット大会が近づいてくれば、音楽に加えて、それらの練習も入ってくる。
だから、毎日・・・実は結構辛かった。必死でやるしかなかったし、どちらかというと要領の悪い、落ちこぼれに近いようなコドモだったから、なんとか少しでも上に行きたい、と思いつつ・・・もがいていた。今でもよく覚えてるのはマラソン大会の時。
その練習の時に、何度もシンドイ、と泣きながら走っていたのだけど、その度に「それはココロの問題だ!」と、言われ続けて、自分の中の弱い部分と戦え、という意味なんだと、今になっては理解もできるのだけど、あの時は、とーにかくもう辛くて辛くて、逃げたかったなぁ・・・・
#・・・にしても、まさか、大人になってそれ以上のココロの問題にぶち当たるとは思わなかったけど(苦笑)
結果的にあたしは、200名位いたあたしたちの学年で6番目という結果で終わった。
あれはあれで嬉しかったけど、どーせなら1位取りたかったね(苦笑)
そんなわけでアンを見ると、その頃の自分とオーバーラップしてしまう部分もあるのは否めないけど、毎日必死でもがくしかなかったあたしにとって、アンは、やはりココロの支えだった。
そして、本を読むことも。
#この頃、メリーポピンズやら、ムーミン谷の物語やら、はてまた今は亡き祖父の影響で近代の歴史書も結構読んでいて、将来は歴史研究家になろうとしていた^^;
今だに明治~大正の日本の文化的なものが好きなのはその頃の影響だったりする。
天涯孤独で、かつ貧乏な少女時代をすごしたアンが、大きくなっても、持ち前の想像力で、どんなにヘビーな状況でも、それを楽しめてしまうその才能は、今でもあたしの憧れでもある。
自分の手で幸せを掴み、夢を掴み、やがて、母となって、子供たちに自分の生き様を継いでいく・・・・その様は実に見事。
アニメが終わったあと、村岡花子氏、中村佐喜子氏、そして、アニメの脚本のもととなった(どなたかが訳されたかは、今、記憶がすっ飛んでいるので思い出せないんだけど:p)翻訳本を買い、続編も含めて、何冊か大事に所有している。
#アニメ放映時に出たアニメ誌の特集本もまだ大事に持っていたりする・・・
もうずいぶん経つのに、今だにふっと手を取り読むことがある。
読むたびに感じ方も変わるのだけど、でも、あの時に感じた新鮮な驚きと感動は今も変わらない。
そう・・・アンは今でもあたしの腹心の友なのだ。
追記:どなたか、角川書店から1992年に出たアニメのアン本、譲ってください(泣)今だに入手できず・・・ああ(泣)