・・・もう今週末で上映終了、とあって、見にいくにはこれが最後のチャンス・・・ということで。
ええ、券もあったもんで・・・・(苦笑
宇宙戦争。
スティーヴン・スピルバーグとトム・クルーズが、有名なH・G・ウェルズの同名原作(オーソン・ウェルズのラジオ・ドラマバージョンは機会があれば、是非聞いて見たいんだけどー。英語勉強せねば^^;;)を53年に続き、リメイクしたSFスペクタクル超大作。
アメリカ東部のニュージャージーに暮らすレイ(トム・クルーズ)は、労働者階級のごく平凡な男。別れた妻との間には息子のロビー(ジャスティン・チャットウィン)と娘レイチェル(ダコタ・ファニング)がいる。
そして、妻と、子どもたちとの面会の日・・・・その異変は何の前触れもなく唐突に訪れる。
晴天だった空が、突如不気味な黒い雲に覆われると、吹き荒れる強風の中、激しい稲光が地上に達し、地面に巨大な穴を空ける。異星人による侵略の幕開けだ。
大地は震え、地中で何者かが激しくうごめく。・・・・その光景を呆然と見つめていたレイ。しかし、ほどなく町は次々と破壊され、人々もパニックに陥る。
レイは子どもたちのもとへ駆けつけ、彼らを守るため、懸命に奔走するのだが、異星人はレイの行くところをどこまでも追いかけてくる。
戦うことよりも、まず子供たちの命を守ることを選んだレイ。
レイと子供たちの運命は?そして異星人の手により、このまま、地球は侵略されてしまうのか?
ふむ、映像は派手。最新のCGとか、特殊効果を多用したことで、見ごたえは確かにある。
これでもかー、と建物やら、道路やらガシガシと壊していくし、人間もあっという間に駆除されてしまう。
まぁ、タイトルこそ戦争と謳っているけれど、ひたすら逃走してるし、戦うシーンは思ってたほど少ない。オギルビー役のティム・ロビンスと地下室で、異星人とのシーンも、もっと緊迫するかなーと思ったら意外に、そちらもそうでもない。
とはいえ、実のところ、一番怖かったのは、我が先とばかりに、車に群がる避難民たちのシーンや船に乗り込もうという避難民たちのシーン・・・人はやはりパニくると、情だの、慈悲だのっていってられなくなるもんなんだろーな。
基本的にキリスト教徒の国なのに、そこらへんは関係なくなるもんなのかねぇ、うーん・・・そうなのかもしれないなぁ・・・ホント、あーゆーシーン見ていると、人間そのものが怖く思えてくる(苦笑)
一応、話としては、この宇宙戦争を通じて、家族の愛と絆を確かにしていく主人公の姿を描いた作品、らしいんだけど、その割には、もっと心理的な描写があれば、よかったのになーって思う。
例えば、あーゆー状況に陥った時、「守る」ということについて、戦うことで守るのか、それとも逃げることで守るのか、という部分で、自分の中で自問していくんだろうなって思うんだけど、そーゆーシーンって全然なかったんだよね。
それでも、レイはこの戦争を通じて、本当の意味で子供たちを守るという、父親として、成熟していった筈なんだけど、その辺の描写がほとんどなかったことで、じゃ、なぜ、逃げることで守ろうとしたのか、というレイの心理がちょっと見えなかった。
むしろ、息子役のロビーのほうがまだ、そこらへんは見えたような気がする。
自分の目の前で、色んなモノが壊され、人もあっけなく殺されていくのを見れば、自分の中の使命感が芽生えるのは至極当然のことで、「自分が戦うことで、異星人が倒れるところを見たい、」というセリフが出てくるのは凄く分かる。
・・・・というわけで。
ストーリーに関しては、映像面とは対照的で、あっさり料理されてた感はある。トライポッドとの戦いも意外にえ、こんなにサラっとしてていいの?ってな感じだったからなぁ。
見せ場としては結構重要なシーンだと思うんだけど・・・・
・・・それにしても、レイチェル役のダコタ・ファニングの演技はうまい!
何度も悲鳴を上げたり、泣いて見たりと、大変だったろうけど、その分、彼女が泣いたり叫んだりすることで、その恐怖感を一層高めたという点では、キャスティング的には大正解だろう。
で、トム・クルーズに関してはむしろ、一番最後のシーンですかね。
娘を守りきり、ようやく父親としての役目も果たせたのに、最後は結局、ひとりになっていく・・・守りきったという達成感と、離れることの寂しさが混在してるような哀愁を感じてしまう男の姿は・・・さすがに絵になってたように思う。
賛否両論あるようだけど、スピルバーグ先生にしては、ストーリー的にはちょっと物足りなかったかなぁ。でも、有名な作品なだけにあえて、映像に拘ることで差別化しようとしたのかもしれないけど。・・・にしてもいつものようにもう少し心理描写があればな・・・・もっと引き込まれたかもしれないんだけど。