そんでもって・・・今月の2本目はこれ。銀座のシネ・スイッチ銀座では、金曜日、女性限定だと900円で観られるのね。で、前から観たかったし、あ、ちょーどいいや^^;ってんで、昨日さくっと(笑
愛についてのキンゼイ・レポート
インディアナ大学の動物学の助教授、アルフレッド・キンゼイ(リーアム・ニーソン)は、3人の助手、クライド・マーティン(ピーター・サースガード)、ワーデル・ポメロイ(クリス・オドネル)、ポール・ゲブハルト(ティモシー・ハットン)に質問の仕方を指導していた。
キンゼイは、ボードン大学卒業後、ハーバード大学で博士号を得て、インディアナ大学の助教授に。友人も恋人も作らず、ひたすらタマバチの研究に没頭する日々を送る。
そこで見出したものは、タマバチの中に、一つとして同じものがいないということ。
そして、タマバチも人間も、違うことが当たり前のタマバチが、自分の存在を祝福してくれるような気がしたのだ。
そんなキンゼイの講義に、熱心に耳を傾ける女学生がいた。彼女の名はクララ・マクミレン(ローラ・リニー)、キンゼイと同じ無類の昆虫好きだった。クララから声をかけ、二人は急速に親しくなる。 そして、自身のSEXの悩みで医者の門を叩いたことがきっかけで、「性」体験の実態に興味を持ち始める。
その後の1948年、全米1万8000人以上に対面リサーチしてまとめたセックスについての統計をまとめた『キンゼイ・レポート』を出版し、全米にセンセーションを巻き起こした。著作はベストセラーになるが、やがて、その栄光も地に落ちてしまう。失意の中研究を続ける彼は、喜びも悲しみも共に分かち合い魂で強く結ばれた妻のクララ(ローラ・リニー)に導かれ、科学を超えた境地に辿り着く・・・
このキンゼイ博士、実在した生物学者だったそうで。
まぁ、それにしても、今はまた当時とは実情も違うんだろーけれど、意外にアメリカって保守的な国だったんだなー、という発見はあった。特にセックスに関して。
うーん・・・もっとオープンなイメージはあったんだけどな。
それに、女性に関しては、この映画でも触れているけれど、レポートそのものは男性版がまず、先に出て、そのあと女性版という形で出たのだけれど、その世間的な反応があんまりにも違ったその背景には、アメリカという国がもともと移民民族の国というのがあるんだろう。
#ここらへんの事情については
All Aboutを見るとわかりやすいかな。
だからこそ、どんなセックスにも偏見を持たなかったキンゼイは、その人生を波乱万丈に送る羽目になったけれど、確かに、その生き方は実に筋が通ってるというか・・・すごいなぁ、と思える部分がある。
そしてどこまでも学者。
興味や疑問を持つと追跡調査&実験してみないと気がすまない。
元々彼には同性愛の志向もあったらしく、助手の一人がゲイと知り、さっそく実験に及んでしまう、とか。キンゼイの奥さんを助手の1人に抱かせたり。しかも奥さんも了承して、楽しんでるし^^;
その大学の講義なんかでも、男性の性器と女性の性器(←しかもモザイク無しです)の写真を学生達の前で惜しげも無く公開したり。研究方法や講義の仕方などは正に目を疑うようなものばかりで・・・(ええ、結構えええ???!って感じで観てしまったり^^;)もう型破り。
すごすぎます。
・・・・日本でもここまではまずやらんでしょう。いくらなんでも。
そして、この映画のポイントをあげるとすれば、タイトルこそ、愛については~ってあるけれども、実はシーンの中で、助手からの問いかけに対して、「愛についてはわからない」みたいなことを言っていて、そのレポートそのものも、愛とセックスという両側面からリサーチされたわけではないらしい、ということ。キンゼイ博士自身、極めて厳格で保守的な環境で教育を受けていることから、そのあたりについても納得いく部分はある。
#そんな博士も、最後にはようやく愛について理解をすることになるんだけど。
また、その対面リサーチのシーンも結構出てくるんだけど、やはり、セックスそのものが、ココロに与える影響は決して小さくない、ということ。特に思春期において経験したことは、その後の人生に大きな影響を与えることがままあるわけで。
そういう意味ではこのレポートが、当時のアメリカの人々が誰にも打ち明けられずに、セックスによって生まれてしまった、ココロの中の闇の部分を癒す、というと少し語弊があるかもしれないけれど、そういう役目を果たした、というのはあるんだろうな。確かに。
うん、この映画、あたし自身は観ていて感動というよりも、むしろ・・・考えることを促された感じだったかな・・・