#今まで映画に関することはどこにも書いたことがないのだが、まぁ、今後、何か見て、書けそうだったら・・・ということで。
今日から公開の
「クローサー」を見た。
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舞台はロンドン。そこで重なり合う、4人の愛。この地に引き寄せられるように巡り会った、フォトグラファー(ジュリア・ロバーツ)、小説家(ジュ―ド・ロウ)、ストリッパー(ナタリー・ポートマン)、そして医師(クライブ・オーウェン)。そしてこの4人が織り成す、それぞれの愛し方、求め方は情熱、嫉妬、熱望…嘘と真実の狭間で次第に変化していくのだった。
いやぁ、この作品はある意味、見ていてとても痛い。見ていて、何度、ココロをチクチクされたことか。
・・・でも、もともと評判が高かった舞台用の戯曲だったのを今回、このような形で映画化されたのは、この4人の持つパーソナリティーがあたし自身も含めて、人間誰しも多かれ少なかれ持ってるからなのではないのかと。だからこそ、共感もできる。
フォトグラファーとして、成功を収め、かつ、医者であるラリーとの幸せな生活を送っているにも関わらず、フォトセッションで知り合ったダンに出会い、お互いに惹かれてしまうアンナ。
道端で見かけた、ニューヨークから来たアリスに一目惚れ、小説家のダンは彼女を愛するようになるが、アンナにも惹かれてしまうように。
誰も知り合いのいないロンドンに降り立って、初めて出会った相手、ダンに、アリスは真っ直ぐ、ひたむきに、時には幼稚なところを見せつつも彼を愛する。
女は安らぎを与えてくれる存在で、かつ自分だけを愛してほしい。また性的にも満足させることで、男としての自信を満たすことができる、という固定観念の持ち主であるラリー。
そして、本能のままに愛に堕ちていくものの、お互いにどこか不器用がゆえ、その愛もやがて苦しみを伴うものになってしまう、アンナとダン、ダンの心移りに気づいてもそれでも愛そうとする強さを持つアリス、浮気をしてしまったアンナに対し、彼女を愛するがゆえに自分の存在価値を求め、それは秀でたテクニックで、ダンから取り戻そうとするラリー。
映画自体は、エロティックなやり取りを織り交ぜつつ、それぞれの心理描写がなかなか巧みに描かれているのだが、見ていて思ったのは「真実と嘘」がじつはキーワードのひとつになっているのかなっていうこと。
うーん、この辺りもホントになかなか難しいところなんだけど、個人的には必ずしも真実が全てというとは思ってなくて、時には相手を傷つけたくないという理由であるならば、嘘も仕方ないかな、と思うところはある。
#っても、自分自身に対しては特に常に真実でなきゃいけないけれど。
それにしてもこの映画は、とにかくオトナですわ。
でもって、思考というか頭で考えながら観るんじゃなくて、心で感じながら観るほうがよりいいかもしれない。