今日であたしが比較的行きやすいエリア(有楽町とかいろいろ)での上映がほっとんど終わってしまうことを昨日知り、慌てて、急遽見に行く。
もともと前売りを買っておいてたのだけど、なかなか行くタイミングが図れず、ギリギリセーフ。良かったよ。
アフリカのマトボ共和国出身のシルヴィア(ニコール・キッドマン)は、国連で同時通訳の仕事をしていた。ある日、会合が事情があって、15分中断に。その後、自分の荷物を取りに帰ろうと国連内の事務所に戻ったところ、偶然にも、民族浄化による大量虐殺が近年問題になっている同国の大統領、ズワーニの暗殺を人のいない国連会場で話しているのを聞いてしまったシルヴィア。その日の夜から・・・彼女の身が狙われ始める・・・・
そこで、彼女には数日前に妻を亡くしたシークレット・サーヴィスのトビン(ショーン・ペン)が彼女の警護にあたるのだが、トビンはシルヴィアの話を嘘と受け止めており、なかなかしっくりといかなかった。が・・・シルヴィアの過去と大きく結びついている、このストーリーはやがて、事態が大きく変わることに。
2人の大物俳優を揃えているわりには、ハデさがないから、ストーリーの流れも、結構淡々としてるし、そこの部分で賛否両論はあるだろうけど、あたし的にはかなりいい映画だと思う。
国連も凄いですな、規模が半端じゃない。いつか見学行きたくなった(笑
おそらく実際とは異なるにせよ、アフリカという国が抱えてる問題やら、テロリストの問題やら、と、ストレートな社会派映画(でかつ、ドキュメント的)だから、なかなか普段からニュースを見ない方にはちょっと辛いかもしれない。でも、これって多分よその国のことだから・・・と片付けられなくなる日が来てもおかしくないんだよね。
これだけ、世界が混沌としてるのだから、あたしたちが住んでいるこの国だって、何が起きてもフシギではない。
・・・映画のほうに話を戻すとして。
「通訳」っていう仕事を通して、言葉を大切にするシルヴィアと、言葉よりも事実を重要視する2人には、共通する部分があった。
愛する人を第三者の手で亡くし、いまだに埋めることができない・・・そう、ココロのダークな部分だ。
その部分をお互いが気づき、途中、無言のまま、シルヴィアがそっと、トビンに寄り添って、ただただ、抱き合うシーンがあるのだけど、これには・・・ちょっと涙が出た。
人間、同じ傷を持っている間柄なら・・・何も言わなくても通じあいたい時だってある。
決して、ネガティブじゃない。だけど、ココロの傷を仕事で埋めようとしている、でも、本当は・・・そんな2人の心情が伝わって、ふと、今のあたしには、そうできる人が近くにいないな・・・とふと寂しくもなったりして。うーん、もっと自分を癒していこうっと。
また、今回見て、凄く印象的だったセリフがひとつあって、シルヴィアがトビンに話す、アフリカの儀式で、
「殺人者を舟に縛り付けて、溺死させるかどうかを、遺族が決める。もし助ける事が出来たら、その家族は悲しみを克服出来るし、溺死させたら、一生喪に服す」というのがある。
このセリフが、ストーリーのラストと登場人物にリンクされていたこともあり、この言葉がおそらく、この映画に込められたメッセージなのだろう。
人を赦すこと・・・・・だって、根っからの悪人はいないのだから。
人を赦すことを自分に許可を与えることは、自分の中の”悲しみ”という呪縛から解きはなす唯一の方法なのだから。